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なんでルーンって「護符」にもなるの?

「なんでルーンって護符にもなるの?」

 

そういえば、そういう質問って、改めて聞かれたことなかったなぁと。

説明しようと思うと、一言で言うにはなかなか難しい。諸説あるうえ、いろいろご意見のある方もおられるので。

でもまあ、私の調べた範囲で、書いてみようかと思います。

 

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では、もとい

「なんでルーンって護符にもなるの?」

 

それはですねぇ、ルーンってまず大前提としてれっきとした「文字」なのです。

占いのツールだったり、なんか記号ですか的に思われていることも多いかと思いますが、実は、古代ヨーロッパに実在したゲルマン人の生み出した文字なのです。

 

で、それが、「護符」となんの関係があるんでしょ?というと、

ルーン文字の成立が大いに関係しているのではなかろうかと思います。

 

ルーン文字の成立には、歴史的な背景、神話的な背景があります

 

歴史的な流れからいうと、ルーン文字は、古代エジプト文明で生まれたヒエログリフ(象形文字)の流れを汲んでいます。

ルーンは、文字自体がイメージを象徴する表音文字です。

そのため、その文字そのものが大自然や生き物などを象徴していたり、意味や力を持つとされています。日本で言う「言霊」と似ていると思います。

また、その成立にあたっては、魔術的な国であったエトルリア(諸説あります)の影響を受けているとされています。

 

ゲルマン神話世界を支える世界樹ユグドラシル(のつもり)
ゲルマン神話世界を支える世界樹ユグドラシル(のつもり)

さらに、ルーン文字成立にまつわる神話のお話をすると、

ゲルマン神話最高神のオーディンが、世界樹ユグドラシルの天辺の枝に九夜に渡って吊り下がり、その身を捧げるという過酷なイニシエーションを経て、ルーン文字を見つけ出しました。ルーンは、宇宙(大自然)の智慧、理、神秘的な力、魔力を持つ神々の文字でした。ルーン文字の創始者となったオーディンは、その知識を神々にも伝え、最後には人間にも教えたとされています。

 

そのため、ルーンは、古代ヨーロッパにおいて筆記文字としても使われていたけれど、同時に、その文字が持つ魔力を使って、危難を避けたり、病気などの治療などの善意で扱う魔術文字としても使われていたとされています。また、逆に呪詛などの悪意を込めた魔術文字としても使われていたのです。(なので、現在残っている石碑は、単純にルーンが刻んであるのではなく、その文章に込めた魔力を、悟られないように、あれこれ工夫していたのです。)

 

というわけで、ルーン文字自体に込められているとされる神秘的な力を使うことによって、「護符」にも「呪符」にもなるとされているのです。

 

余談ですが、古代において、どのように使われていたかは、「古エッダ」や「エギルのサガ」などに詳細に記されています。特に、アイスランドサガで代表的な「エギルのサガ」は、10世紀に実在したエギル・スカラグリムソンを主人公とする物語で、彼はルーンの力で、酒に毒が仕込まれているのを見破ったり、相手を呪ったり、ときには病気の人を治癒したりする場面が出てきます。分厚いので、読破するには根気が入りますが、ご興味のある方は読んでみてくださいね。私は、なんども読みながら寝落ちしかけました(笑)

 

キリスト教によって迫害されて、地下に潜りこっそり使われていた時期も長かったルーン。

ルーンを熟知して、適切に扱うことが求められますが、個々のルーンが持つ意味だったり、象徴、神秘的な力などを用いて、さまざな祈祷や魔除け、防御、癒し、ときには薬なども作られてきたことが、現代のルーンに繋がっているのです。

 

すごい奥が深いんですよ。ルーンって!

(そう思うのは私だけかもしれませんが^^、へへへ)